プロジェクトを進めていく際に、スケジュールが遅延してしまうことは珍しくないと思います。
そんな時に役立つ、スケジュール遅延回復の手法であるファストトラッキングとクラッシングについて解説して行きます。
ファストトラッキング
ファストトラッキングとは、順番通り行うタスクを同時平行で進めることでスケジュールを短縮する技法です。
工程が完了する前に、次工程を開始することでスケジュールを短縮する技法のため、手戻りが発生するリスクがあります。
また、プロジェクト監理者が一度に複数のタスクを管理しなければならなくなります。
コストを増やさずに工期を短縮できるので、予算が決まっている場合などに使用されるコスト重視の技法になります。
コストを増やさない分、担当者、管理者への人的負担がおおきい点には注意が必要です。
クラッシング
クラッシングとは、プロジェクトに資源を追加し、必要になるコストを最小限に抑えながらスケジュールを短縮する技法です。
追加する資源としては、人員や時間(残業)、業務ツールなどがあげられます。
クラッシングは、クリティカルパス上のタスクに対して資源の追加を行わないと効果が薄くなってしまうので、クリティカルパスを見極めて、必要な分の資源を追加することが求められます。
コストはかかりますが、もともとの順番通り工程を進めることが出来るので、作業品質を維持したままプロジェクトを進めることが出来ます。
まとめ
ファストトラッキングとクラッシングはそれぞれ特色があり、一長一短であるのでプロジェクトの特性や状況を考え、適した技法を選択する必要があります。
そもそも、遅延が発生しないようにコントロールすることも大事ですが、どうしても遅延が発生してしまった場合の対応策を持っておくことに越したことはないと思います。
今回解説したファストトラッキングとクラッシングの2つの技法を用いて、遅延を取り戻せるようにしましょう。
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